JR東、犬同伴の旅行ツアー「わん！ケーション」発売ケージ不要で新幹線乗車可、狙いと課題は？ - ITmedia ビジネスオンライン

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　JR東日本と西武ホールディングスなどは、ペット専用貸切新幹線を活用した旅行ツアー「わん！ケーション」の販売を4月26日から始めた。ケージ不要で愛犬と飼い主が新幹線に乗車できるようにしている点が大きな特徴で、ペットとの宿泊が可能なホテルのプランも盛り込んだ。ツアーの販売を通じて、ペット同伴の観光スタイル「ペットツーリズム」の推進とともに、ペット専用車両の実用化も検討する。

JR東日本が運営する北陸新幹線（出典：同社公式Webサイト）

　同社によると、新幹線を活用したペットツーリズムの取り組みは日本初だという。JR上野駅を出発し、軽井沢まで北陸新幹線で移動後、同町内のプリンスホテル系列のホテルなどに宿泊する1泊2日のプラン。実証実験という位置づけのため、出発日は5月21日のみで、30組限定で提供する。料金は1人プランが6万7000円からで、2人1組のプランが10万6000円から。旅行代金には往復の新幹線代、宿泊料金（朝食付）、1頭分のペット料金が含まれる。

旅行ツアー「わん！ケーション」

　通常、ペット同伴で新幹線に乗車する場合は、ケージに入れる必要があるが、同ツアーでは、車両内でのケージ使用が不要。約40分間の「ファミリータイム」を設定した。獣医師やトレーナーもツアーに同行し、犬との旅行を支援する。ただ、ファミリータイムは往路のみの提供。復路で新幹線を利用する場合は、通常列車となるため、ケージに入れる必要がある。

ツアーの概要

ペット同伴の鉄道利用に課題　愛犬家の8割「自家用車」を利用

　JR東などは、ペットライフメディア「PETOKOTO MEDIA」を運営するPETOKOTO（ペトコト、東京都新宿区）とツアーを実施する。各社がこうした取り組みを行う背景には、ペット同伴の旅行を巡る制約がある。

　盲導犬を除き、現在、ペット同伴で公共交通機関を利用する場合、車両内ではケージなどから出さないことが乗車条件になっている。ペトコトが愛犬家225人を対象に実施した調査では、コロナ収束後の愛犬とのお出かけや旅行に意欲的な飼い主が99％だった一方、43％が「お出かけ・宿泊先で愛犬との行動が制限される」と回答。84％が移動手段に「自家用車」と回答するなど、ペットに関する移動面や宿泊面での課題が浮き彫りになった。