21世紀は想定外の危機が続発している。もはや何が起きても「想定外」とはいえないのかもしれない。
世界的に有名な国際政治学者、イアン・ブレマーはG7もG20も機能しない不安定な国際社会の到来を指摘してきた(撮影:今井康一)
2008年のリーマンショックの際に、米国の元財務長官で経済学者のローレンス・サマーズが、「100年に一度の危機は3年に一度やってくる」と語ったといわれている。確かに21世紀の世界は加速度的にその混迷度合いを増しているように思う(必読書=ジョン・K・ガルブレイスの『不確実性の時代』)。
2001年の米同時多発テロを皮切りに、2007年から始まる世界金融危機、11年の東日本大震災と福島第一原発事故、2019年に始まる新型コロナウイルス禍、2022年のロシアによるウクライナ侵攻など、21世紀は想定外の危機が目白押しである。ここまで危機的な状況が次から次へとやってくると、もはや何が起きても想定外とはいえないのかもしれない(ナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』)。
3つのレベルで分類できる危機
こうした地球規模レベルでの危機は、以下のように、いくつかに分類できるのではないだろうか。
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