竹島を愛する有志、個人旅行もご案内蒲郡「ボランティアガイドの会」 - 中日新聞

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蒲郡市観光ボランティアガイドの会のメンバー＝蒲郡市内で

　蒲郡市の観光名所、竹島を案内する「蒲郡市観光ボランティアガイドの会」が、市内に宿泊する個人旅行客を対象にした予約制の「定時ガイド」で活躍している。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた地元の宿泊業を応援しようと、２年前に始めた取り組み。荒島雅広会長（７３）は「歴史や見どころを解説するのは、竹島が好きでたまらないメンバーばかり」とアピールする。　（西山輝一）

　市観光ボランティアガイドの会は、竹島の魅力を伝える目的で二〇〇〇年に発足。歴史に詳しい元教員をはじめ、竹島に関心のある市民有志の二十七人が活動している。これまでに主に、バスツアーで訪れる団体客の案内役を担ってきたが、新型コロナの影響で団体旅行が激減したため、少人数の個人旅行向けの定時ガイドも始めた。

　午前のモーニングガイド、午後のアフタヌーンガイドの一日計二回で、宿泊施設を通じて予約した観光客が対象。ともに竹島海岸から橋でつながった四百メートルほど沖の竹島に入り、八百富神社や南端の竜神岬などを巡る一時間ほどの内容だ。

　ガイドは当番制で各回を一人が担当。二一年度は百九十一回実施し、計四百十五人が参加した。「夫婦で訪れる観光客や家族連れの利用が多く、アットホームな雰囲気で案内する」と荒島会長は魅力を話す。

　案内するガイドは個性派ぞろいだ。「竹島は常緑樹に覆われ、貴重な植物が残っている」と語る伊藤政志さん（７４）は植物に精通。国の天然記念物に指定されている竹島にタブノキやモチノキなどの木々が茂り、ススキに似た「キノクニスゲ」という珍しい植物も自生することを紹介する。

　平安時代に三河国の国司として蒲郡を開拓し、歌人としても名を残した藤原俊成について詳しい河村秀夫さん（７８）は「俊成の子孫にあたる方が今も京都で暮らしている」と解説。池谷春雄副会長（７１）は、かつて旅行会社に勤務した経験を生かし「参加者が飽きないように見どころを紹介し、歩く速さも考えながら案内する」と気を配る。

　会のメンバーは七十代が中心のため、若い担い手の確保が課題。新たな会員を募集し、初心者のための養成講座も開いており、荒島会長は「ボランティアガイドは来訪者をもてなす地域の親善大使。楽しく蒲郡を案内したいと思う人に、ぜひ参加してほしい」と呼びかけている。