待ってた生徒ご一行様新幹線修学旅行割、今年初の利用 - 中日新聞

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修学旅行の中学生を出迎えるＪＲや県職員ら＝ＪＲ金沢駅金沢港口で

　修学旅行の団体に対するＪＲの割引制度が今年初めて利用され、関東の中学生たちが十一日、北陸新幹線で金沢駅に降り立った。ＪＲ職員や観光関係者らによる出迎えを受け、笑顔で金沢市内の観光へと繰り出した。ＪＲ西日本金沢支社によると、新型コロナウイルスの影響で割引制度の利用者数は二〇二〇年度に減少したが、翌二一年度には回復。二二年度は前年を上回る見込みという。（戎野文菜）

２２年度は前年比増見込む

　「ようこそ北陸へ」「歓迎」。金沢駅に到着した千葉市高浜中学校の生徒約九十人を、横断幕やうちわを持ったＪＲ職員や観光関係者、北陸三県の県職員約二十人が拍手で出迎えた。

　生徒たちは「わー！」「すごい」と温かな歓迎に笑みをこぼし、手を振ったり、拍手をしたりして応えた。二泊三日の日程で、兼六園や金沢２１世紀美術館を観光し、山代温泉に宿泊。福井県にも足を運ぶという。

　修学旅行団体に対する割引制度は一九年にスタート。ＪＲが指定した北陸新幹線の車両で計画輸送に協力すると、中学生は運賃、新幹線特急料金ともに半額に。高校生は運賃が半額、特急料金が二割引きになる。

　ＪＲによると、一九年度は十三校の千九百六十二人が利用。感染拡大の影響を受けた二〇年度は九校七百三十四人に減少したが、修学旅行先として飛行機を利用しない地域を選ぶ学校が増えたことなどで、二一年度は二十二校二千八百七十四人に利用が拡大した。二二年度はさらに増え、関東の二十六校約三千三百人が利用する予定という。

　県誘客戦略課の巽陽一課長補佐は「修学旅行を良い思い出にしてもらい、将来また家族や友人と訪れてほしい」と話す。修学旅行誘致は、平日の観光宿泊需要の増加につながり、メリットが大きいという。北陸三県とＪＲ西日本金沢支社、北陸経済連合会でつくる「北陸三県修学旅行誘致推進プロジェクト」は、学校関係者を現地視察に招いたり、旅行会社の商談会でＰＲしたりして関東からの修学旅行誘致に取り組んでいる。

　十一日は、埼玉県の中学生約八十人も割引を利用し、北陸新幹線で富山県の新高岡駅を訪れた。二十五日と二十九日には東京都と神奈川県からも修学旅行生が金沢駅に到着する予定。