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海外旅行×いちごのティラミス 大切な旅の記憶 - 朝日新聞デジタル

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料理好きな俳優・渡辺早織さんが心に寄り添った手料理を紹介する連載です。ほろ苦かったり、甘酸っぱかったり、思い出とつながったご飯は何だか忘れられません。明日を頑張るあなたの活力になりますように……。そんな思いを込めた料理エッセーです。詳しい作り方はフォトギャラリーでご紹介します。

海外旅行に行くときは、いつもより少し勇敢な自分に出会うことができる。

人の少ない早朝の、白い空とひんやりとした石畳。

知っているものなんて何一つない土地で、眠い目をこすって「えいっ」と散歩に出てみると、なんでもないようなことも格別なものに感じるから不思議だ。

道行く知らない人とあいさつをしたり、食べたことのないお菓子に手を伸ばしたり、たくさんの初めてを集めながら、一歩一歩前に進む。

ちょっとの心細さが大切なスパイスで、湧き上がる好奇心が、自分自身の背中を押す。

子供のころに宿した心の中の勇者を引っ張り出して、「今ならなんでもできる気がするね!」と胸の奥でクスクス笑う。

海外旅行×いちごのティラミス 大切な旅の記憶

小さな思い出がつまった大切な旅の味

大学の卒業旅行には親友と2人でヨーロッパ旅行を計画した。

ぎゅうぎゅうに予定を詰め込んで、なるべくお金がかからないように工夫しながら、準備をしている時間もとても楽しかった。

友達と2人で海外に行くこと自体も初めてだったから、お互いにドキドキしていて、行く前に「ケンカしないようにしようね」なんて手紙を書き合ったのもよく覚えている。

海外旅行×いちごのティラミス 大切な旅の記憶

旅の中では色々なことが起きた。

スーツケースがトランジットの国から送られてこなくて、2人で持っている荷物を貸し借りしあって、なんとか乗り切ったこと。

道を尋ねた男性に細い路地に連れて行かれそうになって、ダッシュで2人で逃げたこと。

トラブルがあっても、なんでも笑ってことなきを得た。

もちろん楽しくて美味(おい)しい思い出もいっぱいある。

観光客のいないお店に飛び込んで地元の人たちをびっくりさせたり、宝石のようにキラキラしたケーキを買って広場のベンチで分けあったりした。

特に思い出に残っているのは、フランスからイタリアに移動するときの寝台列車の中。

スーパーで買ったなんてことない生ハムの美味しさに2人で驚いて、ゴロゴロ横になりながら手でつまんでは、電車に揺られつきない話で夜を過ごした。

海外旅行×いちごのティラミス 大切な旅の記憶

小さなことが、全部大きな意味を持つ。

そういう時間が幸せそのもので、それをお互い理解し大切にしていたと思う。

大人になった今は、奮発して自分のお金で高級なレストランに行くこともできる。

もちろん美味しくてその時は感激するけど、それでも、旅で飲んだ小さくて苦いエスプレッソとショーケースで見つけたティラミスを分け合ったことの方が不思議と色濃くいつまでも自分の中にあるのだ。

今日はそんな当時の2人に寄り添いたい。あの時食べたティラミスに、今が旬のいちごを添えて。

今日はいちごのティラミスを作ります。

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January 25, 2022 at 05:00AM
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