コロナ後のアメリカ社会で浮上する「働き手問題」の解決策
このように、ノーマルに戻りつつあるアメリカ社会において、飲食業界やリテール(小売業)の働き手の需要は再び増えています。しかしその反面、供給側の人手がそれに追いつかないという問題が顕在化しています。 この背景には、解雇されたエッセンシャルワーカー達がまだ失業保険などをもらっている最中で市場に出てきてくれないことや、売り手市場の中でより良い仕事の可能性に気がつき、元の職場に戻って来なくなっているという状況があります。 例えば、ワシントンポストは以下のように報じています。 アメリカでは何百万もの人々が仕事を辞めようとしていますが、その中でも小売業は退職者の増加率が最も高い業種であり、4月には約64万9000人もの小売業の従業員が退職届を提出しました。これは、労働局が20年以上前にこのようなデータの追跡調査を始めて以来、1カ月間の退職者数としては最大です。 一部の人は、保険代理店、銀行、地方自治体など、これまでより賃金や福利厚生が充実していてストレスの少ない仕事を見つけています。また、新しい仕事を学ぶために学校に戻ったり、子供の保育園を確保できるまで待っている人もいます。 テネシー州マーフリーズボロに住む23歳のエイスリン・ポッツさんは、執筆や芸術に専念するために、時給11ドルの全米規模のペットチェーン店の水生生物専門家の仕事を辞めましたが、その理由についてこう述べています。「パンデミックの時期、労働環境は本当に悲惨でした。その時気が付いたのです。“将来性のない仕事をしていては、人生がもったいない”と。」 時給11ドルというのは、連邦政府が定める最低賃金の時給7.25ドルよりは高いですが、私が住むカリフォルニア州では、パンデミック前からリテールや飲食業界で働く人の賃金を上げることを定める条例などが多く出ていました。 例えば、2021年の7月にはサンフランシスコ市の最低賃金が以前より25セント引き上げられ、現在は16.32ドル(日本円で約1800円)になっています。それでも、物価が高騰しているサンフランシスコ市では足りないという議論が多く、中には「28ドルまで引き上げないとサンフランシスコで必要な生活費はまかなえない」という意見も出ています。この賃金問題は、今後も飲食業界やサービス業界の利益率を圧迫することになりそうです。 例えば、タコスやブリトーのチェーン店であり、約2900の店舗を所有・運営するチポートレは、5月に従業員の時給を平均15ドルに引き上げると発表しました。さらに、各職務における経験豊富な従業員には昇給を割増しすることを約束し、時給制のマネージャーには平均して1時間あたり2ドル程度、また給与制のマネージャーにはそれに見合った昇給を実施しました。 このことから、時給アップは単に新規従業員だけに提供すればよい特典ではなく、既存社員の離職率を抑えるためにも全社の取り組みとして行う必要が出てきていることがわかります。 また、従業員への昇給は企業だけでなく、消費者にとっても大きな影響があることを忘れてはいけません。 事実、7月にはチポートレの最高財務責任者であるJohn Hartung氏が、メニュー価格を3.5~4%引き上げたと発表しました。また、同氏によると、チポートレの人件費は、第2四半期の総売上高の24.5%から、第3四半期には26%強に上昇する見込みであるとのことです。
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August 25, 2021 at 09:37AM
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