ASUS JAPANから発売された「ASUS ExpertBook B5」シリーズは、最新のCore iシリーズを搭載する13.3型のビジネス向けノートPCだ。ディスプレイが360度回転する2in1モデル(B5302FEA)と、クラムシェルモデル(B5302CEA)の2モデルが用意されるが、ここでは前者のフリップタイプ(B5302FEA-EM0119R)を見ていこう。
まずは本製品のスペックから見ていこう。
ASUS ExpertBook B5 B5302FEA | |
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CPU | Core i7-1165G7(4コア8スレッド、最大4.7GHz、キャッシュ12MB) |
メインメモリ | 16GB(DDR4-3200) |
液晶ディスプレイ | 10点マルチタッチ対応13.3型ワイド(ノングレア) |
画面解像度 | 1920×1080ピクセル |
GPU | Iris Xe Graphics(CPU内蔵) |
ストレージ | NVMe SSD 512GB(PCI Express 3.0×2接続) |
内蔵スピーカー | 1W×2 |
マイク | アレイマイク内蔵 |
Webカメラ | 92万画素 |
センサー | 指紋認証 |
有線LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(専用のアダプター経由) |
無線LAN | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
キーボード | 日本語86キーボード(イルミネートキーボード) |
インタフェース | HDMI×1、Thunderbolt 4(USB Type-C)×2、USB3.2 Gen2 Type-A×1、マイクロフォン/ヘッドフォン×1 |
バッテリー駆動時間 | 約6.2時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0) |
バッテリー充電時間 | 約2.2時間 |
ボディーサイズ | 約309(幅)×210.6(奥行き)×16.9(厚さ)mm |
重量 | 約1.2kg |
OS | Windows 10 Pro 64bit |
パワフルな第11世代Coreプロセッサを搭載
CPUは最新の第11世代(開発コード名:Tiger Lake)のCore i7-1165G7を搭載する。4コア8スレッド、最大4.7GHzで動作するパワフルなモデルだ。本製品では「ASUS インテリジェント パフォーマンス テクノロジー」の採用により、ユーザーの設定に応じて、システムの負荷や温度を見つつ消費電力を動的に調整し、動作してくれる。
動作モードはCPUのTDPを28Wに設定してパフォーマンスを向上させる「パフォーマンスモード」を筆頭に、「バランスモード」「ウィスパーモード」から選べ、ユーティリティーの「MyASUS」から切り替えられる。電源につないでいるとき、負荷のかかりそうな画像/動画編集をするとき、静音性を重視するときなど、シーンに応じて設定して使うとよいだろう。
GPUは、CPU内蔵のIris Xe Graphicsを利用する。第11世代Coreシリーズの一部製品から搭載されたIris Xe Graphicsだが、これまでPC USERで取り上げてきたように、以前のIntel UHD Graphicsよりも性能が強化された。ビジネスシーンはもちろんのこと、それほど処理が重くないゲームであれば十分に楽しめる。
最近では仕事で使うPCでも個人利用を認めているケースもあるが、ビデオ会議やYouTubeなどの動画を見る程度の使い方であれば問題なく対応できる。
メモリは標準で16GB(DDR4-3200)を搭載しており、ビジネス向けのアプリケーションを利用するには必要十分な構成だ。CPUやGPUのスペックも合わせて考えると、ライトなクリエイティブ用途でも利用可能だろう。
ストレージはPCI Express 3.0 x2接続のMVNE SSDで、容量は512GBとなる。評価機にはSamsung製の「MZVLQ512HALU」が採用されていた。
続いて、ボディーやキーボード回りをチェックする。
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頑丈ボディーで使う場所を選ばない
液晶ディスプレイは13.3型で、画面解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)だ。本製品の最大の特徴は、液晶ディスプレイを360度ひっくり返してタブレットスタイルで使えたり、資料やデモ動画などを複数人に見せたい場合に便利なテントスタイルに切り替えたり、利用シーンに応じてさまざまなスタイルを選べることだ。
液晶パネルはタッチ操作だけでなく、別売のスタイラスペンでの入力もサポートしており、まさに2in1モデルらしく活用できる。パネル表面はテカテカというより少しざらついているが、指で触ってもそれほど指紋が目立たない。よほど明るい光源の下で作業するのでなければ、反射や映り込みは気にならないだろう。スペック上の表記はないが、視野角は上下/左右ともに広く、発色もよい。
天板と底面はアルミニウム合金、パームレストはマグネシウムアルミニウム合金で作られており、軽量と高い剛性を獲得している。振動テストや圧力テスト、防滴テストなど、米軍調達の基準を定めた「MIL-STD 810H」規格のテストをクリアしており、頑丈さは折り紙付きだ。
ボディーカラーは同社が「スターブラック」と呼ぶカラーリングで塗られており、濃紺の色合いはビジネス向けノートPCとして、目立たずに落ち着いた雰囲気を与えてくれる。
ボディーサイズは約309(幅)×210.6(奥行き)×16.9(厚さ)mmとスリムだ。重量が約1.2kgと若干重めだが、付属のACアダプターは電源ケーブルを含めて約308gなので、バッグに入れて持ち運んで使う分には問題ない。公称のバッテリー駆動時間は約6.2時間で、日中に外出先で使う程度であれば問題なく使えるだろう。
キーボードはテンキーのない日本語86キーボードで、白色LEDを内蔵している。バックライトをオンにすれば暗い場所でも十分に使える他、防滴かつ静音仕様なので場所を選ばずに使える。
アイソレーションタイプのキーで、キーピッチは約18.75mm、キーストロークは実測で約1.5mmある。しっかりとしたタイプ感があり、打っていても気持ちがよい。
ただし、最上段に配置されているファンクションキーは上下で7mm程度、下部に配置されている「変換」などのキーは幅が11mm程度と小型になっている。カーソルキーも細めなため、このあたりの入力は慣れが必要かもしれない。この原稿も本製品で入力しているが、上方向のカーソルキーを押そうとして「\」キーを押してしまうミスがあった。
タッチパッドは、実測で約105(幅)×61(奥行き)mmと大型で操作しやすい。キーボード操作に集中したいときは、F6キーを押してタッチパッドを無効にしておくことも可能だ。ちなみに、同社製のノートPCにはタッチパッドがテンキーに変わる「NumberPad」が採用されているモデルもあるが、本製品では省かれていた。
次に、インタフェース回りを見ていこう。
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最新のWi-Fi 6に対応し内蔵マイクもノイキャン仕様
通信機能としては、無線LANにIEEE802.11axの「Wi-Fi 6」と、Bluetooth 5.1を装備する。標準で有線LANアダプター(1000BASE-T対応)が付属しており、高速な有線LAN接続での利用も可能だ。MACアドレスパススルー対応の他、大事なビデオ会議で無線LAN接続では不安な場合でも安心して利用できる。
インタフェースは、左側面にThunderbolt 4対応のUSB Type-Cポートを2基並べ、最大40Gbpsのデータ転送に加え、ディスプレイ出力、USB Power Delivery(USB PD)による急速充電に対応する。右側面にはHDMI 2.0とUSB 3.2 Gen2 Type-A端子が1基ずつ、電源ボタンやヘッドフォン/マイク兼用端子、セキュリティロック・ポートを備える。
この電源ボタンは、Windows Hello対応の指紋認証センサーにもなっている。あらかじめ指紋を登録しておけば、Windowsが起動したら電源スイッチに触るだけでログオンできる。セキュリティと手軽さを両立しているので便利だ。
液晶ディスプレイの上部に92万画素のWebカメラが内蔵されている。物理シャッターも用意されており、手動で閉めることができるので、いざというときもカメラの映像をオフにできるのは安心感が高い。
ただし上位モデルのB9400シリーズと異なり、赤外線カメラは省かれているのでWindows Helloによる顔認証ログオンには非対応だ。顔認証によるログオンはとても便利なため、多少コストアップしたとしても採用してほしかったところではある。
マイクはWebカメラの両脇に用意されている。本製品は「ASUS AIノイズキャンセリングオーディオ」を搭載しているので、相手が聞きやすいように、ノイズを取り除いて音声を自動調整して明瞭化してくれる。本体底面に配置されているスピーカーも同様で、人の声以外の雑音を取り除く。これらの設定は「MyASUS」アプリから行う。
ちなみに、スピーカーのノイズキャンセリングをオンにすると、システムの警告音をノイズと判断して消してくれるようだ。
最後にベンチマークテストの結果を見ていこう。
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ビジネス向けに必要十分なパフォーマンス
ここからは、ベンチマークテストで本製品の性能を見ていこう。まずはPCの総合性能を計測する定番のPCMark 10の結果からだ。動作モードは「パフォーマンスモード」「バランスモード」「ウィスパーモード」それぞれで測定した。
スコアを見ると、CPUのパフォーマンスを十分に引き出した値だ。静音重視のウィスパーモードでも高いスコアを記録しており、ビジネス用途で不満を覚えることはまずないだろう。
続いて、バッテリーの駆動時間を調べる「Battery Profile」の中の「Modern Office」をテストした。画面輝度を最大、キーボードバックライトオフで5時間という結果となった。公称値の約6.2時間より短いが、画面輝度を抑えれば公称値を超える時間を使えるだろう。また、カフェでメールをチェックするのに使う、報告書を作成するといった用途なら十分な駆動時間といえる。
本製品が搭載するIris Xe Graphicsは、NVIDIAのGPUで言えばGeForce MX450程度の性能を持つ。このため冒頭でも述べた通り、負荷の少ないゲームであれば十分にプレイできる。そこで「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行した。
こちらも先ほどと同様に、ASUS インテリジェント パフォーマンス テクノロジーの設定を変更した結果をまとめている。
3DMarkのスコアを見ると、さすがに処理が重い3Dグラフィックを多用するゲームを動かすのは厳しいが、CPU内蔵GPUとしては高いスコアをマークしている。ASUS インテリジェント パフォーマンス テクノロジーの設定を見ると、ウィスパーモードではマシンパワーをかなり落としていることが分かる。
次に「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテストだが、「暁月のフィナーレ」の登場に合わせて更新された。「暁月のフィナーレ」は「ファイナルファンタジーXIV」の拡張パッケージ第4弾で、11月23日に発売が予定されている。
スコアの評価も変更されており、従来の指標ではスコア3500以上が「快適」、スコア7000以上が「非常に快適」だったのに対して、暁月のフィナーレベンチでは「快適」の評価がスコア8000以上、「非常に快適」が15000以上になった。
このためIris Xe Graphicsを利用しているPCではそこまでのスコアに届かず、「設定変更が必要」という評価となるようで、本製品も同様だった。ただしベンチマークテストを見れば分かるが、ひどいコマ落ちがあったり、動きがのろのろしてしまうといったことはなく、全くプレイできないわけではない。実際にベンチマークテストを動かして、チェックしてみるのもよいだろう。
ビジネスシーンで大活躍してくれる1台
ここまで見てきたように、ExpartBook B5 B5302FEAは非常に高いパフォーマンスを有しており、ビジネス用途で十分に使えるモバイルPCだ。超軽量というわけではないがスリムで持ちやすく、社内やテレワークでの持ち歩き、外出先での作業にも対応できる。タブレットスタイルやテントスタイルの切り替えもスムーズに行え、営業担当者が顧客先でプレゼンする場合でも力を発揮してくれる。
価格は税込み16万9400円と手堅くまとまっており、購入後30日以内にMyASUSにユーザー登録するだけで手厚い保証が受けられる「ASUSあんしん保証」が付帯する。さらに、法人向けとして有償になるが「ASUSのあんしん保証プレミアム 法人向け4年パック」「ASUSのあんしん保証プレミアム 法人向け5年パック」といった拡張保守サービスも用意される。故障時負担は0円で、劣化バッテリーの交換にも対応するなど、ビジネス利用では大いに助かる内容である。これから数年利用できるビジネスPCとして、本製品は見逃せない1台となるはずだ。
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August 25, 2021 at 09:00AM
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