鉄道や旅行各社が、夏の観光シーズンに向け国内旅行の商品企画やＰＲを強化している。今年は新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言などの自粛要請がない夏休みとなり、旅行需要は活発になると見込まれる。地方から都市部への旅行客を掘り起こしたり、海外旅行をあきらめて国内を選ぶ人向けの商品を充実させたりして、今夏を本格的な回復への転機としたい考えだ。（杉山正樹、内田桃子）
■都市部へ
ＪＲ西日本は２７日、西日本エリアを対象に、地方都市から関西への旅行を促す企画「今こそ、関西。キャンペーン」を７月１日から始めると発表した。大阪市内と地方の主要駅間の新幹線を含む子ども片道運賃が約７割引きの１０００円（８月から利用開始）になる家族向けの専用切符の発売などが柱だ。
ＪＲ東海は、全日本空輸（ＡＮＡ）や日本航空（ＪＡＬ）など４社と共同で、東京観光を呼びかける「ただいま東京キャンペーン」を１３日から始めた。ＳＮＳによる東京の観光情報を発信するほか、東京行きの往復航空券をプレゼントする企画も用意した。
各社が関西や首都圏方面でも観光を促すのは、地方から都市部への人の動きが鈍いからだ。都市部でのイベント中止や高齢者の新型コロナ感染への警戒感があるとみられる。
■「さらに大きな波」
今夏は海外旅行の需要が国内に向くことも想定される。旅行会社・令和トラベル（東京）は今夏の海外旅行はコロナ前の１５％程度にとどまると予測する。
実際、国内旅行は活況を取り戻しつつある。阪急交通社梅田支店（大阪市北区）では、国内旅行の申し込みがコロナ前を上回っているという。７月から全国を対象に実施される旅行割引キャンペーンの詳細が近く判明する見通しで、「さらに大きな波が来る」（担当者）との期待もある。
海外旅行客は消費額が大きいだけに国内での代替需要を狙った高額商品も増えている。
近鉄グループホールディングス（ＨＤ）は７月１日から、グループ内の１７社で夏の観光キャンペーンを開始する。１日１組限定で、観光特急「しまかぜ」の個室や伊勢志摩の高級ホテルがセットになったプレミアムツアー（１泊２日２人で１９万８０００円から）などを販売する。京阪ＨＤも、傘下のホテル運営会社が京都の夏の風物詩・川床での夕食が付いた宿泊プランを用意した。
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June 28, 2022 at 04:00AM
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夏の国内観光、鉄道・旅行各社がＰＲ強化…家族向け専用切符発売や往復航空券プレゼント：地域ニュース - 読売新聞オンライン
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