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【ビジネスパーソンの必読書】情報工場「SERENDIP」編集部 - 産経ニュース

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ビジネスパーソンの必読書

卒業シーズン。学生生活のおよそ半分をコロナ禍の中で過ごした大学生たちが社会へ飛び立つ。苦労の分だけ幸あれと願う。

(情報工場「SERENDIP」編集部)

感動作り出す機能

『音楽する脳』大黒達也著(朝日新書・891円)

音楽の鑑賞、作曲、演奏と脳の関係について、最新研究やクラシック音楽の作曲家・演奏家の事例を紹介しながら解説。人が音楽を聴いて感動するのには脳の「統計学習」という機能が関わっているのだという。

統計学習は、人間の行動、意思決定、知性の獲得などに関わるもので、睡眠時を含む常時、脳内で無意識に行われている。身の回りで起こる現象や事柄の「確率」を自動的に計算し、整理する脳の働きだ。

脳は、音楽を聴くときに、ある音の次に特定の音がくる確率や、それ以外の意外な音がくる「不確実性」などを自動計算。確実性と不確実性の絶妙なバランスが、その曲の芸術性を高め、感動を作り出すのだという。著者の分析によると、ベートーベンの楽曲は後期になるほど不確実性が高くなっている。

統計学習の機能を高めることで、音楽的感性や創造性だけでなく、語学力の向上も期待できるという。時折、普段聴かないジャンルの曲を聴くようにするといいそうだ。

小さなヒット量産

『小林製薬 アイデアをヒットさせる経営』小林一雅著(PHP研究所・1650円)

数々のユニークな商品を世に送り出し続ける衛生日用品・医薬品メーカー、小林製薬。現会長の著者が、その成功戦略を明かす。

同社の基本戦略を著者は「小さな池の大きな魚」戦略と名づける。「小さな池」とはニッチな市場のことだ。誰も目を向けていない小さな需要に着目し、商品を開発。新しい商品カテゴリーを作り出し、より大きな需要を喚起する。そのプロセスを繰り返し、小さな池をいくつも作ってきた。

例えば、今では当たり前にトイレに置かれる芳香消臭剤は、昭和50年に小林製薬が発売したサワデーのヒットにより日本に広まった。著者が米国留学で目にした製品を日本向けにカスタマイズし、「大きな魚」を釣り上げることになった。

ブルーレットやサラサーティなども同様のプロセスでヒットした。コツコツと小さな挑戦を積み上げる戦略は、日本企業向きなのかもしれない。

変わる仕事の評価

『頭 手 心』デイヴィッド・グッドハート著、外村次郎訳(実業之日本社・3080円)

世の中の「仕事」のうち、知能検査で測られる認知能力を生かす「頭」の仕事が、手作業や肉体労働など「手」の仕事、看護や介護といった「心」の仕事より評価され、従事者の社会的地位が高かった。近年、その偏りが解消される傾向を指摘し、3者のバランスについて論じている。

ロボットやAI(人工知能)の発展は、人間が認知能力を発揮する機会を奪い、相対的に手や心の仕事の需要が増す。手や心の仕事は人間にしかできない部分が多いからだという。将来的に最もニーズが生じるのは心の仕事と、頭と手を組み合わせた技術的な仕事になると著者は予測する。

コロナ禍も「手」「心」の重要性を社会が再認識するきっかけとなったといえる。医療の現場における看護職、インフラを支える配達員や運転手などが必要とされている。今後も、社会の状況に応じた最適なバランスを考えることが、健全で持続可能な社会を実現していくのだろう。

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March 20, 2022 at 01:00PM
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