『大阪版ＧｏＴｏ』開始 喜びの旅館の一方で…旅行会社は「近隣府県に対象を広げて」
更新：2021/11/24 17:50
１１月２４日、大阪版ＧｏＴｏとなる「大阪いらっしゃいキャンペーン」が始まりました。大阪府が、コロナ禍で落ち込んだ観光業界を支援しようと、府民を対象に府内の宿泊施設を利用した場合、最大５０００円の割引と、飲食店などで使える最大３０００円分のクーポン券を配布します。観光業界の反応を取材しました。
各地で紅葉が見ごろを迎え、秋の行楽シーズン真っ盛り。日に日に寒さが増す中、温泉が恋しい季節となりました。大阪府池田市にある温泉旅館「伏尾温泉・不死王閣」では、朝から予約の電話が鳴りやみません。１１月２４日に始まった大阪版ＧｏＴｏ「大阪いらっしゃいキャンペーン」の影響です。
（従業員）
「問い合わせのお電話とか、入っている予約がキャンペーンの対象になるのかとかの問い合わせが入っている状態ですね」
（伏尾温泉・不死王閣 谷向哲也取締役）
「予想以上にたくさん予約を頂戴していまして、大変楽しみにしています」
この温泉旅館「伏尾温泉・不死王閣」では宿泊プランと日帰りプランの両方がキャンペーンの対象です。おすすめはボタン鍋。１泊２食付きで１人１万２３０円のところ、キャンペーンを使うと割引とクーポンで、実質２２３０円から宿泊できます。
（大阪府豊中市からの客）
「お得ですね。母と一緒に温泉でゆっくりしようかなと思って来ました」
「日帰りでも行けるからね、いいですね」
（大阪市からの客）
「いままで自粛でどこにも行けていなかったので。紅葉のシーズンにもなったんで出かけてみようかなと思いました」
実はこの温泉旅館は、新型コロナウイルスの影響で稼働率が１０％程度となり、創業約９０年で初めて長期の休館を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いていました。
（伏尾温泉・不死王閣 谷向哲也取締役）
「平日でもだいぶ稼働がよくなってきていますね。平日でも８割部屋が埋まっている形になっています」
早速キャンペーンの効果が現れ、今週末の予約はすでに７割に達するなど、明るい兆しが見えてきたといいます。
（伏尾温泉・不死王閣 谷向哲也取締役）
「今まではお客さま自体も大変少なかったので、ちょっと暗い雰囲気だったんですけれど。ようやく人も増えてきますので、たくさんのお客さまをお迎えできて接客できるので、スタッフ一同楽しみにしています」
一方、大阪市東住吉区にある旅行会社「摂陽観光」。今回の大阪版ＧｏＴｏの反響については次のように話します。
（摂陽観光 藤原雅彦佐長）
「旅館としてはありがたい話だと思いますね。ただ、それが果たして旅行業者というと、ちょっと分かりませんね」
画面に並ぶのはホテルの満室を意味する“販売停止”の文字。クリスマス時期や年末はキャンペーン開始前から既に埋まっていて、大阪版ＧｏＴｏでの新たな予約はまだ一件も成立していません。府民は、旅行会社を通さずに直接宿泊施設などの予約を取ることもあり、キャンペーンの対象を近隣府県に広げてほしいと話します。
（摂陽観光 藤原雅彦佐長）
「大阪にお住まいの方が大阪のホテルに泊まりに行くというのはちょっと考えにくいところがありまして。わざわざ旅行会社の窓口に来られるというのは少ないのかなと思いますね」
これについて大阪府の吉村知事は次のように話します。
（大阪府 吉村洋文知事）
「近隣府県に拡大していきたいと思います。特に京都・兵庫・奈良。和歌山。隣接府県のみなさんが利用できる制度にしていきたいと思います」
「大阪いらっしゃいキャンペーン」は、宿泊などの割引は１２月３１日まで、クーポン券は１月３１日までです。
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