＜フレイルを防ぐ!! ずっと健康に＞シニアの旅行支援（中）足腰鍛えて野球観戦へ：東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

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プロ野球観戦を目標にトレーニングする柴田さん（右）＝愛知県豊田市で

　旅行を通じて心身の機能を保ち、健康長寿を目指す「シニアの旅行支援」。今回はプロ野球観戦ツアーへの参加を目標に、手すりなしでの階段昇降に励む男性のトレーニングの一部を紹介する。医療福祉の専門職らで立ち上げた旅行業者「トラベル　ｗｉｔｈ　じぇぷと」（愛知県豊田市）に協力してもらった。　（川合道子）

　トレーニングに励むのは「若いころから野球観戦が趣味」という柴田秀夫さん（７７）＝豊田市。今シーズンは、バンテリンドームナゴヤ（名古屋市）で選手のプレーを最前列で見られる「フィールドシート」での観戦を目指している。席は最寄りの出入り口から階段を五十段ほど下りた先にある。段差は十五〜二十センチ前後で、手すりはない。

　私たちは段差を上り下りする際、片足でバランス良く体を支えながら移動しているが、年齢を重ねると、下半身の筋力や平衡感覚が衰えて転倒しやすくなる。加えて柴田さんは十年ほど前に患った病気の影響で、右の手足が動かしづらい。

　じぇぷとのメンバーで理学療法士の鈴木洋平さん（３７）が提案したのは、下半身の筋肉を鍛える片足で膝曲げや簡単スクワット、左右のバランスを意識した姿勢改善ポーズなどのメニュー。「普段の歩行に不安がある人にも効果的」。新聞破りは握力を付け肩の動く範囲を広げることが目的で、旅先で弁当やおしぼりの袋を開封する時にも役立つ。

　柴田さんは四年前のツアーに初めて参加。当初はバリアフリーでたどり着ける三階席で観戦していたが、毎年足を運ぶうちに「別の階の売店に行って土産を買いたい」「もっと前で見たい」と思うようになった。「目標があるとトレーニングに力が入る。毎日の生活にも張り合いが出る」と笑顔で語った。