本書の対象と独自性
本書が対象にするのは、デジタル時代の「産業プラットフォーム」である。経営学では、プラットフォームには「製品プラットフォーム」という意味もある。これは、企業が、ゼロから個別に製品を開発するよりも効率的に、関連する製品「ファミリー」を構築するための共通部品やサブシステムを指している。自動車の車台(シャーシ)がその例だ。それに対して、産業プラットフォームは、同様に企業の内外で使われる共通機能を提供するものだが、他企業を巻き込む産業レベルで機能する点が製品プラットフォームと異なる。産業プラットフォームは「人々や組織を集め、プラットフォームでなければできないような方法でイノベーションや相互やりとりを可能」にする。具体的には、CPUチップ、ゲーム機、クラウドサービス、OS、アプリストア、マーケットプレイス、ライドシェア、民泊、SNSなどがその例となる。 産業プラットフォームは、効用や価値がネットワーク効果をもっている点で従来の製品・サービスと異なる。本書が着目するのは、このネットワーク効果が、企業成長や社会にもたらす影響である。具体的には、「デジタルプラットフォームが、どのようにして、これほど大量の商品やサービス、そして、情報の流れをコントロールするようになったか」と「かつてない規模と範囲の経済性を享受するデジタル巨人たちの市場支配と成長には限界があるのか」について答えようとする。 本書の独自性は、この産業プラットフォームを、イノベーションプラットフォームと取引(トランザクション)プラットフォームに分けて、データに基づいて議論を行うところにある。イノベーションプラットフォームとは「他企業が補完的イノベーションを生み出すための技術的基盤」であり、取引プラットフォームとは「ネットワーク効果の働く直接的な交換や取引の仲介者」のことである。上記した例では、CPUチップ、ゲーム機、クラウドサービス、OSなどは前者であり、アプリストア、マーケットプレイス、ライドシェア、民泊、SNSなどは後者だ。
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July 25, 2021 at 06:32AM
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イノベーションプラットフォームと取引プラットフォームの違いとは――『プラットフォームビジネス』の着眼(Book Bang) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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