コロナ禍で打撃を受けた観光業界。収束のめどが立たない中、JTBはオンラインツアーに注力する。当初、リアルな旅行との「つなぎ」として始めたオンラインだったが、オンラインだからこそ気付けた新たなニーズがある。「予習」としての活用や、これまでターゲットとなり得なかった人へのアプローチも可能になりそうだ。
コロナ禍で大打撃を受けた産業の一つが観光業だ。特に海外旅行の落ち込みはひどく、日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2020年の訪日外客数は前年比87.1%減の411万5828人、出国日本人数は前年比84.2%減の317万4219人となった。そんな中、観光業はどのようにビジネスを継続していくのか、コロナ禍での観光業のビジネスのあり方が問われている。
【特集】観光2.0はバーチャルで切り開け
【第1回】 JTBがオンラインツアーに手応え 「予習旅」という新たな鉱脈 ←今回はココ
【第2回】 満床続出の「オンライン宿泊」 ゲストハウスが仕掛ける斬新接客
【第3回】 観光2.0はリアル旅行をオンラインツアーが補完、共存する世界
旅行業界各社が今、力を入れているのがオンラインツアーだ。オンラインツアーとは、Zoomなどのアプリを使い、自宅にいながら世界各地の観光を体験できるサービス。リアルタイムに配信されているので、現地と双方向でコミュニケーションが取れるのが特徴的だ。行動が制限され、リアルな旅行ができなくなった今、その損失を穴埋めしようと、大手から中小に至るまで、さまざまな旅行会社や観光地、ツアーガイドが取り組んでいる(関連記事「 4000円のインドの占いが人気 HISオンライン旅行ヒットのツボ」)。
旅行大手のJTBがオンラインツアーを始めたのは、20年8月。現地に抱える社員やガイドの雇用を守るため、顧客と海外旅行の接点をつなぎ留めておくため、各国コロナ禍の状況を鑑みつつ、実施可能な地域からスタートした。「当時、GO TOキャンペーンが始まるタイミングで、国内旅行には利用者の意識が向くと思ったが、海外はその対象ではない。海外の観光地や人々を応援する意味でも、現地スタッフと共にオンラインでできるツアーを考え、敢行した」と、JTBグローバル統括本部インハウス事業チームマネージャーの潮亨氏は話す。
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April 26, 2021 at 03:00AM
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