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国際ビジネス都市香港に影 言論萎縮、企業に打撃も - 日本経済新聞

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香港国家安全維持法の成立を祝う香港の親中派(30日、香港)=AP

香港国家安全維持法の成立を祝う香港の親中派(30日、香港)=AP

【香港=木原雄士】反体制活動を取り締まる「香港国家安全維持法」が30日に成立し、香港に高度の自治を認めた「一国二制度」の形骸化が鮮明になった。中国が法執行で影響力を強めるのは確実だ。グローバル企業をひき付けてきた「自由都市」が変質すれば、企業活動に打撃になる。

香港は英国統治時代から行政の介入を最小限にする「レッセフェール(自由放任主義)」と呼ばれる経済政策を取ってきた。2019年の世界銀行のビジネス環境ランキングではニュージーランドとシンガポールに続く3位。各種税率も低く、金融機関をはじめとする多くの欧米企業が香港にアジア拠点を置く。

新法施行でビジネスを支えてきたインフラが揺らぐのは間違いない。香港中文大学の李兆波・高級講師は「香港メディアは中国国有企業を否定的に報道できなくなるかもしれない。アナリストは中国経済分析に慎重になる恐れがある」と話す。

香港は報道や言論の自由が保障されてきた。本土のようなインターネット規制がなく、中国共産党を批判しただけで逮捕されることはなかった。

新法は国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力と結託して国家安全に危害を加える行為を処罰する。解釈の余地が大きく、国有企業の不正追及や共産党批判が取り締まりの対象になる可能性がある。香港バプテスト大学の呂秉権・高級講師は「抗議活動のスローガンを叫んだだけで違法だという解釈もある」と警戒する。中国への批判的な報道を手控える「自己検閲」も広がる。

司法への懸念も根強い。中国が新たに香港に設ける出先機関「国家安全維持公署」は「少数の犯罪案件」に関して直接取り締まり、本土で裁判にかける可能性もある。中国の司法機関は共産党の指導下にあり、人権団体などは透明性を欠くと批判する。「司法制度への信頼がなければ、ビジネスはできない」(ファンド関係者)

在香港米国商工会議所のアンケートによると、新法が施行された場合、会員企業の29%が資本や資産、ビジネスの移転を考えると回答。香港からシンガポールなどに人員を移す緊急プランを策定する企業も出始めた。

現時点では「ビジネスへの影響は法律がどのように運用されるかにかかっている」(李氏)。香港政府は「対象はごく少数」との説明を繰り返す。国際社会の批判に配慮して当初は慎重に運用するとの見方がある一方、犯罪抑制効果を高めるため「抜かずの宝刀」にはしないとの観測もある。

専門家の間では金融センターの地位は当面維持するとの見方が多い。足元で米上場の中国企業が相次いで香港に重複上場するなど注目度が高まり、香港株や香港ドル相場に動揺はみられない。日本総合研究所の野木森稔氏は「香港が強みとする中国本土とのつながりは他都市では代替が難しい。金融センターの機能は当面残る」と話す。

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June 30, 2020 at 06:00PM
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