外国為替市場で円安が進んでいる影響で、都内の旅行会社では、海外旅行の販売時より円安となった分だけ、経費の支払いが増えるケースも出ています。
東京・港区にある旅行会社では、日本人も含めすべての入国者に求めてきた陰性証明書の提出が３回目のワクチン接種を条件に免除されるなど、新型コロナの水際対策が緩和された今月７日以降、旅行の問い合わせが増えていて、年末年始の旅行の予約も入り始めているということです。
こうした需要の回復が期待される一方、懸念されているのが円安の経営への影響です。
この会社では、来年１月の予定の南極ツアーを、ことし１月に販売しましたが、ツアーで利用する船会社などへの支払いの一部は、いまの為替相場のもと、ドル建てで支払うことになっていました。
ツアーの販売時点のことし１月には、１ドル＝１１５円前後だった円相場が、今月初めから１ドル＝１４０円台まで円安になり、支払いが数百万円増えて利益が大幅に減る見込みだということです。
このほかのツアーでも、海外のホテルの宿泊料金や食事代が値上がりしていて、ツアーの価格の見直しも検討しているということです。
さらに、航空会社が航空料金の燃料価格に応じて国際線の運賃に上乗せする特別料金「燃油サーチャージ」も値上がりしているということです。
「グローバルユースビューロー」の柴崎聡社長は「円安や原油価格の上昇が需要に水を差さないか心配しています。ツアーの代金を見直した場合、顧客に丁寧に説明するなどして対応するしかありません」と話していました。
１５日午後、海外旅行から成田空港に帰国した人からは、円安の影響で旅行中も買い物や食事を我慢したという声が聞かれました。
このうち新婚旅行先のイタリアから帰国した男性は、先週からの水際対策の緩和を歓迎し「現地でＰＣＲ検査を受けなくてよくなったので、検査のために予定を空けておいた時間も旅行を楽しむことができてよかった」と話しました。
その一方で、「イタリアではお金の減り方が早かった。５００ミリリットルのペットボトル飲料が高いところだと４ユーロ、６００円くらいでした」と話していました。
イタリアから帰国した大学生は「イタリアでは美術館にたくさん行きたかったのですが、１か所入場するのに２０００円から３０００円はかかるため、我慢しました。また、レストランで食べるとお腹いっぱいになるには２０００円はかかるので、レストランに行く回数を減らし屋台に行っていました。新型コロナも収まりつつあるので、円高になればもっと海外に行く人が増えるのではないかと思います」と話していました。
シンガポールの親せきに会いに行ったという高校生は「全部、高かったです。洋服を買いたかったですが日本と比べるとどれも高いと感じ、見るだけにしました。円安でなかったら買っていたと思います」と話していました。
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September 15, 2022 at 03:45PM
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