ハピライン福井－敦賀好調旅行客利用想定以上に：日刊県民福井Web - 中日新聞

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臨時列車、増結で需要対応

増結して４両編成で走るハピラインの車両。手前２両はＪＲの旧デザインで、奥２両はハピラインのデザインとなっている＝坂井市のハピラインふくい丸岡駅で

　北陸新幹線県内開業に伴い、ＪＲ北陸線の運行を引き継いだ並行在来線のハピラインふくいは、福井－敦賀間で想定以上に利用されている。通勤・通学客の生活の足としてだけでなく、旅行客らが県内移動する際に新幹線の代替手段として使っているとみられている。通常は２両１編成のコンパクトな車両運用で、土日や平日夕方に混雑が発生する場合もあるため、臨時列車の運行や増結などで需要に応えている。　（水野志保）

　開業してから１カ月半。ハピラインの福井駅では平日夕方、帰宅する通勤・通学客の姿だけでなく、大きなスーツケースを持った旅行客の姿もみられる。小川俊昭社長は「想定していたよりも、福井－敦賀間でハピラインを利用する人が多い。運賃と時間のバランスを見て選んでもらっているのではないか」と話す。

　福井－敦賀間の所要時間は北陸新幹線で２０分程度だが、ハピラインの場合、停車駅が少ない快速列車は約４０分、各駅に停車する普通列車は約５０分かかる。それでも運賃で比較した場合、ハピラインは新幹線の半額以下と安い。

　敦賀駅は東京発の北陸新幹線の終着駅である一方、関西・中京方面と結ぶ特急の乗換駅でもある。関西・中京方面に出かける県民や来県者が、県内移動でハピラインを選択しているとみられている。

　旅行客らの需要に応えるため、ゴールデンウイークと５月の土日は福井－敦賀間の上下線で臨時列車を計４本運行する。通常は２両編成だが、いずれも４両編成で運行している。同社は６月以降も運行可能な範囲で臨時列車を走らせるという。

　通勤・通学客の需要にも応えるため、平日の帰宅時間の便も不定期に増結して４両編成で運行している。福井－南条間の通勤で利用しているという南越前町の会社員男性（６９）は「混雑している便は車両を増やして臨機応変に対応してくれていてとても助かる」と話した。

　ただ、旅行客向けの臨時列車も通勤・通学客向けの増結列車も「運行可能な範囲で」という条件付き。同社は３２両１６編成を所有しているが、２両ずつ、もともとのＪＲのデザインからハピラインのデザインのラッピングに切り替える作業をしているため、所有車両のうち常に２両は使えない状況。加えて、車両が定期的に検査に入るので、車両に余力があるタイミングでなければ増結や臨時列車は難しい。

　同社会長を務める杉本達治知事は４月の定例会見で「２両１編成が原則」としながらも「好循環が続けばよく相談しながら増車も考える必要が出てくる」と新たな車両を確保する可能性についても言及した。