青森市が昨年度発注した新型コロナ患者の移送業務の入札で、旅行大手など５社が談合を繰り返し、独占禁止法に違反した疑いがあるとして、公正取引委員会が１５日、５社の青森市内の支店に立ち入り検査に入ったことが関係者への取材で分かりました。
コロナ禍で旅行需要が落ち込む中、利益を分け合うねらいがあったとみて詳しい経緯などを調べるものとみられます。
立ち入り検査を受けたのは、「ＪＴＢ」、「近畿日本ツーリスト」、「東武トップツアーズ」、「名鉄観光サービス」、「日本旅行東北」の青森市にある支店です。
関係者によりますと、５社は青森市が昨年度発注した、新型コロナに感染した人を自宅から療養先の宿泊施設などに移送する業務の指名競争入札で、受注会社や入札額を事前の話し合いで決める談合を繰り返し、独占禁止法に違反した疑いがあるということです。
入札は昨年度５件行われ、いずれの業務も「近畿日本ツーリスト」が受注していますが、その後、ほかの４社に業務を再委託する形で仕事を割り振っていたとみられるということです。
公正取引委員会は、コロナ禍で旅行需要が落ち込む中、各社の支店が利益を分け合う目的で談合していたとみて、詳しいいきさつを調べるものと見られます。
旅行業界をめぐっては、去年、Ｇｏ Ｔｏトラベルの補助金の不正受給が明らかになるなど、新型コロナ関連の事業をめぐる問題が相次いで発覚しています。
【青森市 「再委託は原則禁止」】
青森市が昨年度発注した新型コロナ患者の移送業務の入札をめぐり、旅行会社５社が談合を繰り返していた疑いがあるとして公正取引委員会が５社の青森市内の支店に立ち入り検査に入ったことを受けて青森市が取材に応じました。
受注した会社はほかの４社に対して、業務を再委託して利益を分け合っていたとみられていますが、青森市によりますと、受注した会社と昨年度結んだ５件の契約ではいずれも再委託が原則禁止されていたということです。
再委託する場合には書面で市に申し出る必要がありますが、申し出はなかったということです。
青森市保健部の加福拓志次長は「青森市としては適正に入札を行っているので公正取引委員会の調査を注視したい」と述べ、調査の結果によっては、業者に対して何らかの措置をとることも検討するとしています。
青森市が昨年度発注した新型コロナ患者の移送業務の入札をめぐり、旅行会社５社が談合を繰り返していた疑いがあるとして公正取引委員会が５社の青森市内の支店に立ち入り検査に入ったことを受けて、青森市の西市長は「事実なら重大な事態で公正取引委員会の検査を注視し、その結果を踏まえて適正に対応していきたい」とするコメントを出しました。
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November 15, 2023 at 05:17PM
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